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タロットカード詳細

タロットについて

タロットカードの概要

 
【タロット・カードの変遷】

Ⅰ.貴族などの記念品としてのタロット

タロットの起源は諸説紛々(エジプト説、ユダヤ説、インド説、ジプシー説他)とありますが、現在残っている記録によれば、最も古いカードはルネッサンス全盛のころ当時栄えたヴィスコンティ家に残っているタロットです。この頃のタロットは当時すでに存在していたプレイング・カード(トランプ)に切り札として過去の神智学的(占星術やヘルメス主義、新プラトン主義的)な大アルカナが加わって出来たものと思われ、現在ではゲーム用または、貴族の記念品的カードとして存在していたと考えられています。イタリアでカードゲームとして使用されたタロットはドイツ、スイス、オーストリア、フランスへと波及していきます。タロットはその国々や地域で多様な形に変化して地域独特のカードを生み出していきます。

Ⅱ.魔術や占星術の秘儀としてのタロット

イタリアやドイツ、スイスでは主にゲームを中心として発展したタロットは17世紀のフランスにおいてはゲーム用としての用途は衰退し、ロマン派の時代に続く18世紀後半にフリーメイソン会員の学者クール・ド・ジュプランなどにより神秘主義とむすびつけられていきます。そして19世紀半ばにはエリファス・レヴィの「高等魔術の教理と祭儀」により「高等魔術」のツールとして使用されるようになります。このオカルト・タロットとも言えるものは、この後、占星術や哲学をも巻き込みながら、タロットは秘密の奥義を内包するカードとしてフランスやイギリスを中心に発展していきます。これは、「黄金の夜明け団」により頂点に達し、19世紀中盤から20世紀後半にかけてまで続きます。

Ⅲ.心理学、自己発見、自己啓発、心に寄り添うタロット

神秘主義の洗礼をうけたタロットは20世紀後半より21世紀の現在、ユングやフロイトの理論を取り込みながら深層心理学や心の癒し、瞑想、潜在意識を活用するためのツール化が進んでいます。
謎が多く、人々の深層心理に働きかけるタロットは今後どのような発展を遂げるのでしょうか。楽しみなものです。
                       
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【タロット・カードの呼び名と語源について】
 
現在、日本では「TAROT」はタロットと言う呼び名が定着しましたが、昭和40年代後半の日本のタロットの初期においては呼び名を「タロット」か「タロウ(タロー)」かで大変議論となりました。(実際アメリカなどでは「タロット」では通用せず「タロー・カード」でなければ通じません。)ここで参考に各国のタロットの呼び名を挙げてみます。

*アメリカ、イギリス・・・tarot(タロウまたはタロー。会話ではカードを付けなければ通じない。)
*フランス・・・tarot(タロウまたはタロー)
*イタリア・・・tarocco(タロッコ)又は、複数をさすtarocchi(タロッキ)と呼ばれることもある。
*ドイツ・・・tarock,tarok(タロック)
*オーストリア・・・taroc,tarock(タロック)
*チェコ・ハンガリー・・・taroky(タロッキー),tarokk(タロック)

また、タロット(タロー)は最も初期のころは、「凱旋」の意味を持つ「トリオンフィ(trionfi)」またはそのラテン語の「トライアンフ(triumphs)」と呼ばれており、1516年頃からイタリア語の「タロッコ(tarocco)」の複数形である「タロッキ(tarocchi)」と呼ばれるようになりました。タロッキの語源には謎が多く16世紀半ばの古い記録でもすでに不明であると記されているのですが、推測の意味では何種類かの説があります。

1. イタリアの古いカードゲームの一つ、タロッコ(tarocco)から来ていると言う説。タロッコは、北イタリアのロンバルディアやピエモンテで特に流行っていた56枚の数札と22枚の寓意画札の計78枚を使用するゲームで、その中の寓意画22枚のうち「愚者」を除いた21枚をタロッキ(tarocchi、タロッコの複数の意味もある)と呼んでいてここから来たと言う説。 (また、このゲームのなかでは、特に寓意画の「世界」「愚者」「奇術師」と数札の「四枚のキング」の計七枚を、フランス語で「タロー・パー・エクセランス」{Tarots par excellence}。つまり「この上もないタロット」又は「他の何れにも勝ったタロット」と呼んでいました。これがフランス語のタロットを表す「タロー(tarot)」になったと言う説もあります。)

2. イタリア北部、北緯45度付近を流れるポー川の支流のひとつである、「タロー(taro)川」から来たと言う説。(この地方でタロットが発明されたからだそうです。この川はタロッコゲームがよく遊ばれたロンバルディア地方に近い場所にあります。)

3. フランスの昔のタロットの裏模様に使われた、斜めに交差する線と点の模様をタロテエ(tarotee)と言い、そのカード製造者をタロティエ(tarotiers)と呼んだ所から来たという説。

4. 以前、オカルティストが好んだ、ジュプランの「王の道」説。(Tar…エジプト語で「道」、Ro…「王」又は「王の」の複合語)
などがあります。
 
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【タロット・カードの種類について】

タロットカードの種類は、現在大きく分けて、「ライダー・ウェイト・タロット(ウェイト版)」系と「マルセイユ・タロット(マルセイユ版)」系の二つに分けられます。(トートタロットエテイヤタロットは特殊なタイプとなります。トートタロットやファルコナー系エジプシャンタロットは構造的にマルセイユ版を基に制作されています。)


「ライダー・ウェイト・タロット」系は78枚が全て絵札となっており、従来のマルセイユ版や「ソラ・ブスカのタロット」を元に19世紀末の魔術結社「黄金の夜明け団(ゴールデン・ドーン)」の教義を加え、20世紀初頭に誕生し、イギリス、アメリカで主流となりました。
「マルセイユ・タロット」系は小アルカナ56枚がトランプの様に数札となっており、歴史が古くヨーロッパで伝統的に使用されてきました。
以下に、現存する最も古いヴィスコンチ家のカードから、現在に至るまでに発生したタロットカードの種類を記述します。
15世紀のヴィスコンチ家のカードから16世紀、17世紀 とデザインや大アルカナの順番のバリエーションの細かい違いのあるカードが複数発見されていますが、現在まで残っているデザインで古いものは、マルセイユのタロットです。これの元になったデザインは17世紀後半に出来たようですが、一部の「月」や「星」のデザインはすでに16世紀半ばのイタリアのカードに現れていたようです。また18世紀中盤あたりから現在も残っているゲーム専用タロットが発明されてきました。そして18世紀後半のクール・ド・ジェブランのタロット古代エジプト起源説により、エッテイラなどのエジプシャン・タロットが登場します。
それにより、19世紀にはタロットカードは、マルセイユ版タロットエジプシャン・タロットゲーム専用タロットの主に3つの大きなバリエーションが存在することになりました。さらに19世紀末には、エッティラ系とタイプの違うファルコナーのエジプシャンタロットが加わります。

そして1909年、ついに最も後のタロットカードに影響を与えた、ライダー・ウェイト・タロットが登場します。
また、20世紀中盤から、個々のオカルチストや占い師や魔術結社の独自のカード(クロウリーのトート・タロットなど)が加わり、さらに20世紀後半には、ユング心理学の「元型」に影響を受けた異型のタロットや、易を取り入れたイーチン・タロットや易をビジュアル化したイーチン・カード(日本では高井紅鳳氏の「易占タロット」の影響でイーチンタロットとも呼ばれます。)、そしてセラピーを目的としたタロットも登場します。

現在では

ウェイト版系タロット(オール絵札、現在は占い専用)

マルセイユ版系タロット(小アルカナはイタリアン・スート、占いにも使用する。)

エジプシャン系・タロットⅠ(エッテイラ・パピュス系)
       (占い師エッテイラからの影響を受けたもの。占い専用。)

エジプシャン系・タロットⅡ (R・ファルコナー系)
       (R・ファルコナーの本に掲載された絵柄に影響を受けたもの。占い専用)

⑤ オカルチストや占い師、魔術結社などの独自のカード
       (クロウリーのトート・タロットなど。占い、魔術儀式などに使用。)

⑥ ユング派の「元型」に影響を受け異種文化を取り込んだ異型のタロット。「セラピー」など心理学的目的を与えられたタロット。易を取り入れたイーチン・タロットイーチン・カード(日本では「易占タロット」の影響でイーチンタロットとも呼ばれる。)

⑦ 芸術、イラストレーター系タロット。

⑧ マルセイユ版の基になった各種復刻版のヒルトリカル・タロット

ゲーム専用タロット(タロック)カード
    (小アルカナは、現在のトランプと同じフレンチ・スートを採用し作られたもの。)

と、大まかに分けると約9種類のタロットカードが存在します。
(また、個人の趣味を反映したタロットカードも増えています。)
 
また、アメリカのタロット研究家シンシア・ジャイルズの時間軸を基にした分類を、著名な占い・精神世界研究家、伊泉龍一氏が著書の中で紹介しています。
 
 
1.15世紀前半(タロットカードが誕生したと思われる)から18世紀後半の1781年クール・ド・ジェプランの「原始世界」出版頃までのゲームなどに使われたと考えられる古典的タロット。
 「ヒストリカル・タロット」(1440年頃のヴィスコンティ家のタロットなど)。

2.18世紀後半1781年クール・ド・ジェプラン原始世界第8巻「タロット古代エジプト起源説」出版以降から19世紀末「黄金の夜明け団」全盛期頃までの「失われた古代の叡智や秘教的教義」の復活を目指した秘教的タロット。
 「エソテリック・タロット」(エテイヤのカードやエリファス・レヴィの「高等魔術の教理と祭儀」に影響をうけたカード。グラン・タロー・ベリーヌオスワルト・ウイルト・タロットなど)。

3.19世紀末から20世紀半ばあたりまでに起こった、極限まで秘教化されたタロットを更に前進させて伝統的絵柄とは異なる、より洗練化したオリジナルな表現で示したモダンでアーティステックなタロット。
 「モダン・タロット」(ライダー・ウェイト・タロット(ウェイトースミス・パツク)やトート・タロット)。

4. モダンタロット期と重なる1930年頃~20世紀半ばあたりから現在に至るまでの、従来の伝統や解釈に捕らわれない世界のスピリチュアリズムを取り入れ、自由な表現を得た異型のタロット。
 「トランスフォーメーション・タロット」(東洋文化やネイティブ・アメリカ文化など世界の文化や思想や心理学を取り入れたタロット。ボイジャータロットなど)。

 
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【ゲーム専用タロット・カードについて】

タロットカードは16世紀初頭には、イタリアからフランスやスイスへと広まりやがてヨーロッパ各地に広がるのですが、ゲームとして使われているうちに18世紀中盤から後半に掛けてドイツとハプスブルグ帝国領内で完全なゲーム用タロット(タロックと呼ばれる場合が多かった)が生み出されます。これは、22枚の大アルカナの数字の部分を大きくし、従来のデザインを完全に無視して動物などの絵柄に変えたものです。この絵柄は後に装飾的意味合いが強くなり建物、風景、花、物語のキャラクターなど数々の種類を生み出し、また小アルカナは、現在のトランプのスート(フレンチ・スート)を採用し、ゲームに使いやすい様に双頭カード化されていきます。美術的に美しい物もあります。

 
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【タロットカードの枚数について】

タロットの枚数はそのほとんどは、大アルカナ(メジャーアルカナ。書物によってはトランプ[切り札]カード、アトウ[フランス語の切り札の意味]と呼んでいる場合もあります。)22枚と小アルカナ(マイナーアルカナ)56枚の計78枚が一般的です。中には80枚、90枚を越えるものも過去や現在でもありますがごく少数です。大アルカナは1番の魔術師から21番の世界の21枚に愚者が加わった22枚で、小アルカナは1から10までの数礼と王(キング)、王妃(クイーン)、騎士(ナイト)、従者(ペイジ)の4人のコートカード(絵札)の14枚が4スート(剣、聖杯、棍棒、硬貨など)の計56枚からなります。ウェイト版系のタロットは小アルカナの数礼もすべて絵札にすることにより、より占いに適したカードになっています。

トランプ(プレイングカード)のタロットカード起源説は、この小アルカナから各スート(スペード、ハート、クラブ、ダイヤ。又は剣、聖杯、棍棒、硬貨など)のコートカードの騎士をぬいて各13枚とし、これにジョーカーとして愚者を当てた53枚のカードと考えられたところから来ていますが、近年の研究では、タロットカードの最も古いカードや記録以前にトランプの起源に当たるカードや記録が存在していますので、現在は残念ながら、この説は否定的になっています。

 
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 【タロットカードの大アルカナの順番】

タロット・カードの22枚の大アルカナの順番には、カードの種類により多少違いがあります。(18世紀から見られるエッテイラのタロットなどエジプト系の特殊なものは、ここではとり上げません。)15世紀、16世紀では主にゲームとして使用されたため、切り札としてのゲームの中での強さが時代や地域によって多少の変動が見られました。そして17世紀後半にはマルセイユ版のカードの順番がスタンダートなものになりましたが、19世紀のエリファス・レヴィなど魔術師が絡むことにより若干の変動が現れます。ここではマルセイユ版系、エリファス・レヴィのカードの配列、ウェイト版系などを取り上げてみます。(エリファス・レヴィ、パピュス、オスワルト・ウィルト、ウェイトについては下記別項、タロットの歴史をご参考下さい。)

マルセイユ版系       
1.魔術師  2.女教皇  3.女帝  4.皇帝  5.法王  6.恋人  7.戦車  8.正義  9.隠者  10.運命の輪   11.力  12.吊るされた男  13.死  14.節制  15.悪魔  16.塔  17.星  18.月  19.太陽  20.審判  21.世界  
無番号.愚者(魔術師の前に来ることあり。また、カードにより22番が記載されているものあり。)

エリファス・レヴィ、
1.魔術師  2.女教皇  3.女帝  4.皇帝  5.法王  6.恋人  7.戦車  8.正義  9.隠者  10.運命の輪  11.力  12.吊るされた男  13.死  14.節制  15.悪魔  16.塔  17.星  18.月  19.太陽  20.審判   無番号.愚者   21.世界  

パピュス
1.魔術師  2.女教皇  3.女帝  4.皇帝  5.法王  6.恋人  7.戦車  8.正義  9.隠者  10.運命の輪  11.力  12.吊るされた男  13.死  14.節制  15.悪魔  16.塔  17.星  18.月  19.太陽  20.審判  0.愚者  21.世界
(パピュス系では、21.愚者、22.世界となっているカードもあります。)

オスワルト・ウイルト
1.魔術師  2.女教皇  3.女帝  4.皇帝  5.法王  6.恋人  7.戦車  8.正義  9.隠者  10.運命の輪  11.力  12.吊るされた男  13.死  14.節制  15.悪魔  16.塔  17.星  18.月  19.太陽  20.審判  21.世界   22.(無番号)愚者

ウェイト版系
1.魔術師  2.女司祭長(女教皇)  3.女帝  4.皇帝  5.司祭長(法王)  6.恋人  7.戦車  8.力  9.隠者   10.運命の輪  11.正義  12.吊るされた男  13.死  14.節制  15.悪魔  16.塔  17.星  18.月  19.太陽   20.審判  0.愚者  21.世界
(他のカードと違い、力と正義が入れ替わっている。)

 
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【タロットの各カードの意味】

占いでタロットカードを用いる時、本来はインスピレーションを大切にするため、必ずしも完全に各カードの意味を覚える必要はないのですが、78枚全てにベースになる意味が便宜上あります。各カードの意味は各タロットカードパックの種類により多少違いがありますが、ここでは紙面の都合上、最もよく使われるウェイト版の大アルカナ22枚の意味を示します。(なお、ウェイト版ではリバース[逆位置]の意味もありますが、GD[黄金の夜明け団]ではリバースは採用していませんでした。)一般的に正位置が良い意味が多く、逆位置が好ましくない意味が多くなっています。なお、一般的意味と同時に、アーサー・E・ウェイト本人の「The pictorial key to the Tarot 1910年」に著された意味も挙げてみます。


1. 魔術師
正位置・・・希望。創造。巧み。熟練。創業。修行を始める。恋愛や交際の始まり。入学。ものごとの始まり。聖地。聖者。宗教上の本山などへの参詣。結婚式。新婚旅行。
逆位置・・・優柔不断。不適当。弱さ。不安定。神経の不足。創造力の不足。未来の計画に対する臆病さ。無理にすすめられる結婚や結婚式。技量不足で低迷する恋愛。

ウェイト解説
正位置・・・手腕。外交。手際。巧妙。病。苦痛。損失。災害。敵の罠。自信。意志。男性の質問者。
逆位置・・・医者。賢者。精神病。不名誉。不安。




2. 女司祭長(女教皇)
正位置・・・学問。知性。常識。静穏。知恵。賢明さ。落ち着き。啓示されない未来。芸術家。オカルチスト。
逆位置・・・晩婚。わがまま。思慮のない行為。欺瞞。官能的な享楽。移り気から起こる失敗。悪女の恋人にほんろうされる。

ウェイト解説
正位置・・・秘密。神秘。明らかにされない未来。質問者が男性なら、彼にとって気になる女性。質問者が女性なら、彼女自身。沈黙。粘り強さ。謎。英知。科学。
逆位置・・・情熱。道徳的、あるいは肉体的熱情。自惚れ。表面的な知識。




3. 女帝
正位置・・・美貌の女性。官能的な女性。未来に対して安定した現状。妊娠。出産。結婚。愛欲。家庭。自然と接触することから得られる霊感とやすらぎ。癒し。芸術的才能や感覚。収穫。繁栄。同情的な親切。物質的援助と保護。豊かな土地。良い土地。自然が損なわれていない土地。
逆位置・・・ぐずつく結婚。優柔不断な愛。不決断。女らしい性格のマイナス面。なかなか受胎しない状態。不潔な女性。生産性の欠如。

ウェイト解説
正位置・・・実り。行動。イニシャティブ。月日の長さ。未知なるもの。秘密。困難。疑い。無知。
逆位置・・・光。真実。問題の解決。公の歓楽。別の解釈によれば、優柔不断。




4. 皇帝
正位置・・・権力。支配力。一家の家長や一族の長。職場、またはグループのリーダー。長男。活動力。情熱。闘争本能。愛情や女性を行動や力で獲得するたくましい男性。性衝動。
逆位置・・・未熟。無力。外見と違って内面は弱い性格をもつ男性。統率力を失う。指導性の欠如。長男だが家や家業を継がない立場。

ウェイト解説
正位置・・・頑固さ。力。防御。実現。偉大な人物。同盟。理性。信念。権威と意志。
逆位置・・・慈悲。共感。信用。敵に対する困惑。障害。未熟さ。




5. 司祭長(法王)
正位置・・・人生の転換。心の転換。思いやり。愛情の深まり。愛情面の不可能を可能にする。宗教(密教的なもの)。オカルト。儀式。結婚式。幸福への援助がえられる。よき相談相手。忠告。教え。勇気と功名を与える人物。宗教的な慰め。
逆位置・・・異端。慈悲や思いやりに欠ける。援助が打ち切られる。誤った情報。ゆがめられた真実。情報をつかむことによって得られた権力。宣伝。歪める。悪意のある忠告。

ウェイト解説
正位置・・・結婚。同盟。拘束。別の意味では、恵みと有徳。直感。質問者が頼りとする人物。
逆位置・・・社会。良い理解。調和。過剰な親切。弱さ。




6. 恋人
正位置・・・恋愛。女性側からの誘惑で成功した恋愛。無邪気な十代や若者の恋愛関係。セックス。嫉妬。美しさ。情熱。好きで打ち込む趣味。重要な事件の発生による選択の時期。
逆位置・・・よろめき。誘惑。遊びだけの関係。気まぐれ。結婚生活の危機。痴話げんか。道徳心の欠如による危険。ジェラシー。希望に関して重要な道が選べない。

ウェイト解説
正位置・・・魅力。愛。美。克服される試練。
逆位置・・・失敗。愚かな計画。別の意味では、不満のある結婚とあらゆる意味での不一致をあらわす。




7. 戦車
正位置・・・征服。勝利。凱旋。自立。出世。野望をなしとげる。困難の克服。宗教、迷信に打ち勝つ。先頭をきった最初の勝利。自力で勝ち得た成功。乗っ取り。買占め。経済的野心の成功。立身出世。力で勝ち取った恋愛。戦争。戦火。兵隊。自動車、その他乗り物。運転者。
逆位置・・・計画の挫折。恋愛などの敗北。障害。利己主義。ルーズ。他人の権利を無視する。

ウェィト解説
正位置・・・まさかの時の救助、援軍。摂理。戦争。勝利。無礼。復讐。トラブル。
逆位置・・・暴力。争い。論争。訴訟。敗北。




8. 剛毅、もしくは力
正位置・・・勇気。自己犠牲。念力。インスピレーション。不可能を成し遂げる力。常識や社会通念の打破。偉大な精神的指導力。忍耐。努力と忍耐による愛の勝利。理想へ向かう。相手の醜い欲望をなくさせる。危険を恐れない勇気をもつなら計画を実行に移すことが出来る。
逆位置・・・獣性や強いものに負ける。常識や法に負ける。力の乱用。忍耐の欠如。弱さ。チャンスを逃がす。

ウェイト解説
正位置・・・力。エネルギー。行動。勇気。寛大。完全な成功と名誉。
逆位置・・・独裁。力の乱用。弱さ。不一致。時には不名誉。




9. 隠者
正位置・・・秘められた知恵。哲学。真実の愛(それらを求め続ける者)。研究者。思慮。分別。自制。自己の判断による行動。静かな忠告。弁護士。逃避行。俗世間から離れた生活。
逆位置・・・愚かな知恵。偽りの愛。未熟。忍耐不足。愚かな悪事。忠告の拒否。親切な助言の拒否。

ウェイト解説
正位置・・・深慮。慎重。また、特殊な意味として反逆。偽り。悪事。崩壊など。
逆位置・・・隠蔽。欺き。政策。恐れ。理由の無い警戒。




10. 運命の輪
正位置・・・幸運。成功。無限のひろがり。宿命。占星学。天文学。運命的な出来事。運命的な結びつき。一目ぼれ。新しい恋のめばえ。環境の変化による問題の解決。
逆位置・・・つかの間のチャンス。幸運の後にやってくる突然の不幸。失恋。事業の失敗。経験不足からくる失敗。逆戻し。挫折。悪い転換。事件の終わり。

ウェイト解説
正位置・・・運命。幸運。成功。向上。至福。
逆位置・・・増大。豊富。過分。




11.正義
正位置・・・正義。裁き。裁判。調停。公正な人物。常識家。均衡をとって生きていく人。バランスのとれた愛情。家庭と仕事の均衡をうまくとる。財政上の均衡がとれる。
逆位置・・・相手を厳しく裁く。裁判上の厳しい裁き(敗北)。無法。暴力。財政上の失敗。公正さを欠く。家庭と仕事のバランスが崩れる。

ウェイト解説
正位置・・・平等。正しさ。高潔。行政。正当な判断。
逆位置・・・あらゆる意味における法。法律問題。頑迷固陋。偏見。過剰な厳しさ。




12.吊るし人
正位置・・・自己犠牲。自己放棄。試練。修行。難行。殉教者。幽界(潜在意識の世界)からの導き。身動きのとれない状況。服従。復活。再生。心の柔軟性。
逆位置・・・我欲のとりこ。わがまま。自己主張がすぎる。つかみ難い態度や状況。敗北に導く精神的葛藤。

ウェイト解説
正位置・・・英知。慎重。洞察力。試練。犠牲。直観。占術。予言。
逆位置・・・利己主義。民衆。国民。国家。政治団体。




13.死神
正位置・・・離婚。別離。すべてを捨てる。ものごとの(よくない意味での)終わり。一度、無に戻したほうが良い。盗難。火災による損失。破産。取引の停止。生産や営業の中止。退学。突然やってくる病気。恐怖心を持ちやすい病気。飢餓。暴力死。事故死。不作。
逆位置・・・意識の変革。再生。創造。運命。更新。スクラップ&ビルド。病気回復。蘇る愛。遺産相続。

ウェイト解説
正位置・・・終わり。死すべき運命。破壊。堕落。男性にとっては後ろ盾を失う。女性にとっては多くの反対。若い女性にとっては結婚の計画の失敗。
逆位置・・・惰性。睡眠。無気力。茫然自失。夢遊病。失われた希望。
 (オカルト的解釈では、このカードは再生。創造。運命。更新。休息をあらわす。)


 
14.節制
正位置・・・職業上の成功。業績をあげる。社会的な名声を意味する。名家。宝石。大邸宅。倹約。蓄財。生命力。(気象上で)風が出てくる。名誉。誇りをうる。高潔な人格。芸術家。超能力。精神的なものと肉体的なものが一致した恋愛。社長。高給生活者。勝負師。
逆位置・・・短気、頑固。わがまま。贅沢。浪費。恋愛上の孤独。夢想的な恋愛。賭博。風にさまたげられる。強風。生命力や活力の浪費。

ウェイト解説
正位置・・・経済。中庸。倹約。管理。適切。
逆位置・・・教会。宗教。宗派に関すること。ときには質問者自身やその将来の結婚相手が宗教関係者かもしれない。不調和。不幸な組み合わせ。利害の衝突。




15.悪魔
正位置・・・病気。意気消沈。不況。不服。不満足。力の誤用。有益な友人を失いやすい。友人の裏切り、策謀。既婚者への愛の成就。悪への屈服。黒魔術。呪法。科学。学究。
逆位置・・・心霊学。オカルトへの理解のはじまり。臆病。屈服からの解放。病気の回避。科学性の欠如や無視。迷信。

ウェイト解説
正位置・・・破壊。暴力。激烈。異常な努力。力。運命。前もって定められていて動かせないもの(必ずしも悪いものとは限らない)。
逆位置・・・悪い宿命。弱さ。狭量。盲目。




16.塔
正位置・・・大火。噴火。地震。落雷。災難。事故。負傷。発病(火傷、高熱を伴う病)。熱。爆発物。暴力。破壊。消防自動車。闘争。衝突。悲劇。破産。信用の失墜。古い概念をくつがえす。精神の堕落。失望。経営者の交替。
逆位置・・・不当な圧迫。苦悩。投獄。罠にはまる。窮地。誤った告発。愛情面の誤算。熱しやすいがさめやすい態度。ボヤ。ちょっとしたスリルを味わう。

ウェイト解説
正位置・・・悲嘆。困窮。逆境。災難。不名誉。破壊。詐欺。
逆位置・・・意味は弱まるが、正位置と同じ意味。抑圧。投獄。暴政。




17.星
正位置・・・恵みの雨。豊かな大地。豊かな収穫。良薬。母性愛。愛を与える。優れた健康。希望。時がいつの間にか流れる姿。洞察力。利己的でない援助。霊感。精神的援助。美しさ。順調な愛情。よい航海。船の旅。
逆位置・・・河川の氾濫。大雨。洪水。厭世観。頑固。物事が過度になる。水に流される。働きすぎによる疲労。美貌の衰え。邪推。良くない航海。

ウェイト解説
正位置・・・損失。窃盗。喪失。放棄。また別の意味では、希望と明るい見通し。
逆位置・・・傲慢。不能。




18.月
正位置・・・予期されない危険。恋愛上の不運。スキャンダル。欺く。欺かれる。迷い。裏切り。家庭、家族の不和。家族の中に出る病人。死亡した関係者にまつわる事柄。霊感。心霊現象。死者との交霊。信仰。墓地。悪霊が付く。悪魔祓い。不安のある旅立ち。転職。就職。進学。見合い結婚などで未知の世界へ飛び込むこと。先祖。先祖霊。霊界。
逆位置・・・小さな嘘。軽いスリルを味わう。少しの失敗。過去の出来事に影響される。魔女的な女性に影響される。過去の嫌な相手が現れる。恋愛上の口論。

ウェイト解説
正位置・・・隠れた敵。危険。中傷。闇。恐怖。欺き。幻想。オカルト的な力。失敗。
逆位置・・・不安定。続かないこと。沈黙。小さな欺きと失敗。




19.太陽
正位置・・・幸運。成功。物質的にも幸福な姿。到達。獲得。幸福な結婚。恋愛の成熟。情熱。出産。期待した妊娠。繁栄。有名人。人気。出世。再会。仲直り。生命力。古い観念にとらわれない人物。自然児。大自然。南国への旅。新婚旅行。
逆位置・・・結婚生活のトラブル。婚約破棄。仕事上や家庭内の損失。中絶。流産。難産。孤独。独裁。わがままからくる人間関係の失敗。

ウェイト解説
正位置・・・物質的な幸福。幸運な結婚。満足。
逆位置・・・正位置と同じだが、意味が弱くなる。




20.審判
正位置・・・目覚め。驚異。変革。著しい変化。目的の完成。不滅の精神力や信仰。思想を身につける。成功。再生。回復。蘇る愛。母性愛。
逆位置・・・不安定。精神力の欠如。未決定。延期。愛の幻滅。優柔不断。別離。あざむき。

ウエイト解説
正位置・・・位置の変化。更新。結果。他の解釈によれば、訴訟における損失。
逆位置・・・弱さ。無気力。単純。慎重。決心。判決。




0.愚者
正位置・・・愚かな行為。浮浪者。定職や定まった住居も無い者。流れ者。大道芸人。香具師。やくざ者。未熟。間違った道を行く。旅。ノイローゼ。精神病。狂犬病。物質への執着。愛より物質。条件をとっての結婚。
逆位置・・・希望。終わりからの再生。精神的な目覚め。悟りをひらく。学問。知識を求めての旅。海外留学。海外旅行。よい旅。

ウェイト解説
正位置・・・愚行。偏執狂。極端。酩酊。アルコール中毒。熱狂。暴露。
逆位置・・・無知。不在。分配。不注意。無感覚。無効。虚栄。




21.世界
正位置・・・最も強く、最も良い意味(78枚のタロットカードの中で…)。目的の達成。念願の成就。結婚。恋愛。職業などの成功。世界一周のような大旅行。完全。成功。人格者。精神の高揚。超能力や霊力の会得。名声。極楽往生。
逆位置・・・挫折。不完全。物質への未練。旅や変革への不安。婚約破棄。

ウエイト解説
正位置・・・約束された成功。報酬。旅。出国。飛行。場所の移動。
逆位置・・・惰性。固定。頑迷。永続。




*以上、カードの意味は、ウェイトによれば、「ごく特殊な場合を除いて、実占上はどの意味を採用するかについては、純粋に技術的問題であり、各占いを行う者の自由裁量に任されている。よって当然、その自由裁量の中には神の啓示もあれば、ただの当て推量も含まれる。」と述べています。


*参考文献:「新・タロット図解」アーサー・E・ウェイト著、木星王監修、シビル岡田訳 他

 

 


 
【エッティラ(エテイヤ)・タロットの概要】
 
エッテイラ(エテイヤ)・タロットの概要

エテイヤ(又はエッティラ:本名ジャン・バプティスタ・アリエット)は、1783年から1785年の間に「タロットと呼ばれるカードのパックで楽しむ方法」4部作を出版し、現在まで続くタロット占いやカード占いの基礎を築いた人物です。
フリーメーソン会員のクール・ド・ジェブランとド・メレが提唱した「タロット起源エジプト説」に影響を受けたエテイヤは、従来のタロットを古代エジプト式に修正し1789年に史上初の占い専用タロット「エテイヤ・タロット」を製作しました。
このタロットは、フランスでは占い用タロットとして大変広まり、複数のバージョンが作られ、十九世紀後半までマルセイユ版を隅に追いやり、フランスの占い師が使用するタロットの主流となりました。

エテイヤ・タロット」のカードの順番は、エテイヤの主張した古代エジプトの賢者ヘルメス・トリスメギストスの教えなどに基づき制作され、従来のマルセイユ版に比べて非常に異なっており、タイトルも全く独自のものが使われています。
特に「愚者」はこちらで確認出来ているバージョンでは全て、78番が割り当てられています。
下記にその対応をまとめてみました。
 
番号 マルセイユ版番号とタイトル エテイヤタイトル
1  5 教皇 男性の質問者
2 19 太陽 啓蒙
3 18 月 意見・水
4 17 星 損失・空気
5 21 世界 旅・地
6  3 女帝 昼・夜
7  4 皇帝 支持
8  2 女教皇 女性の質問者
9  8 正義 正義
10 14 節制 節制
11 11 剛毅(力) 剛毅
12 12 吊るされた人 賢明
13  6 恋人 結婚
14 15 悪魔 偉大な力
15  1 奇術師(魔術師) 病気
16 20 審判 審判
17 13 死 死すべき運命
18  9 隠者 裏切り者
19 16 神の家(塔) 悲惨・拘留
20 10 運命の輪 運命
21  7 戦車 不和
78(0) 無番号 愚者 愚行

エテイヤによれば、「2」から「7」番までのカードの順番は「世界の創造」のプロセスで「8」番は創造の後の休息で、「旧約聖書」の世界創造が取り入れられ、さらに「9」から「12」番までは、ヨーロッパの伝統的な四つの枢要徳、「正義」「節制」「剛毅」「賢明」を表しています。
また、1番から12番までは占星術の十二サインが白羊宮から順に双魚宮まであてはめられており、さらに2番から5番までのカードには「火」「地」「空気(風)」「水」の四つのエレメントが対応されています。
ここで、特に不可解に思われるのが、12番の「吊るされた人」です。
絵柄も全く違い理解し難いと思います。
これは、当時、クール・ド・ジェブランが、提唱したタロットエジプト起源説の中で、「12番の吊るされた人の絵柄は当時の無知なカード職人が間違えて描いたもので、本来はヨーロッパの伝統的な四つの枢要徳の一つ「賢明」を表すものである。本当の姿は、さかさまの人物ではなく、片足立ち(つまりカードをさかさまにした姿)の姿が正しいすがたである。」と主張した事に由来するものです。エテイヤはこの説をさらに推し進めて、このような絵柄に変化させたようです。
8番の女性のコンサルタントカードとして使用される「女教皇」も「エテイヤ・タロット」では「エヴァ」が描かれており、これもエテイヤがタロットにヘルメス哲学、錬金術と「旧約聖書」の世界創造を照応させ、取り入れたための様です。

なお、ご参考にグリモウ版の「エテイヤ・タロット」のタイトルや意味、また星座や曜日の対応を簡単に下記にご紹介しますのでご参考下さい。


1.カオス  火星           [コンサルタントカード(主に男性)] 
 観念。理想を追う。美徳。質問者を助けてくれる他の人の親切な行為。
(逆位置)知恵。英知。知性。才能の開花。

2.光   金牛宮  月曜日 
教化。啓蒙。良い見通し。新しい可能性。光。昼。伝染病。恋人との仲直り。
(逆位置)情熱。やりすぎて人を怒らせる。余計なお世話。

3.月    双児宮  水曜日 
交渉。話し合い。議論が長く続く。援助。手伝い。召使い。夜。薬品。
(逆位置)不安定。移り気。悩みの解決には目先の欲を捨てることが必要。

4.星   巨蟹宮   火曜日 
損失。秘密の暴露。剥奪。横取り。
(逆位置)健康に注意。効果のある薬品。中傷。悪口のはね返り。問題になる質問者の態度、振る舞い。

5.世界   獅子宮    土曜日  
仕事の成功。愛情面での成果。幸福。幸運。有益な旅。仲直り。仕事へのよい刺激。
(逆位置)悲惨。貧困。困難。危険。わずかな物しか得られない。

6.空    処女宮    木曜日 
神秘的なものへの強い傾斜。愛の発見。幸せが続く。
(逆位置)再会。正直。誠実。

7.大蛇   天秤宮    金曜日 
援助。支持。既婚の男性には家庭の平和を与える。未婚女性には結婚の促進。貧しかったり不幸な境遇の人達には保護を与える。
(逆位置)建設的や本心でない援助や協力、保護、平和、結婚。

8.エバ   天蠍宮    日曜日  [女性の質問者をさすコンサルタント・カード。]
頑固。粘り強さ。貞操。純潔。休息。安静。慰め。
(逆位置)前進。進展。協議。罠。

9.正義   人馬宮 
正義。調停。平和。安心。和解。バランスをとる。
(逆位置)紛争。不一致。同意できない。法律家に相談してみること。

10.節制   土星
温和。調和。節制。良い健康。自制。献身。実行。喜び。
(逆位置)宗教家、占い師の助力。宗教、オカルト。質問や疑問ある人も信じること。

11.力    宝瓶宮
堅固さ。強さ。権力。威力。能力。強いエネルギー。良い印象。
(逆位置)自信過剰。独立。親となる。所有。・・・ただし、いずれも立場は不安定。

12.思慮分別   双魚宮
思慮深さ。用心深く動く。人を信用することの失敗。金銭面の警戒の必要性。
(逆位置)被害をこうむる。トラブル。信用を失う。

13.司祭長
愛。婚約。結婚。家庭内の喜び。
(逆位置)結婚の延期。あてはずれ。延期。信用できない。

14.悪魔
偽り。嘘。悪事。悪い誘惑。暴力行為。犯罪。幻を追う。
(逆位置)行く手に待ち受けるトラブル。発病。暴行を受ける。誘惑。それらはあなた自身でなくとも身近な人の身の上に起こることかも知れない。

15.魔術師
悲しみ。不幸。困難。神経質。神経性疾患。落ち着きのない行動。忍耐力の不足。
(逆位置)記憶力のなさ。ふさぎ込む。暗い考え。不快。恨み。

16.審判
正しい判断。実行から得る利益。相手への理解。献身。交渉。
(逆位置)友人の意見を取り入れる。友人の判断への同意。不和。争い。迷い。役に立たない。破滅。

17.死神
病気(例え難病や重症でもあきらめることはない。ただし欲張って何かをしないように)。危険。大きな障害。滅亡。ことの終わり。離婚。退学。
(逆位置)糖尿病。昏睡状態。荒廃。崩壌。没落。倒産。逆境。わざわいの種を残す。

18.隠者
罠。裏切り。不実。卑劣。不貞。不誠実。密告。
(逆位置)甘言に注意。偽り。孤独。荒廃。隠遁。

19.塔
欠乏。貧乏。収入の低下。赤字。金銭が入用になる。人の援助を期待する。
(逆位置)不正な方法で金を得る。捕らえられる。不正の発覚。入獄。悲劇。

20.運命の輪
幸運。利益。財産。良い知らせ。思わぬ好機の到来。
(逆位置)収入の増加。利殖の成功。金銭や財産をかくす。昇給。脱税。

21.戦車
紛争。裁判。横暴。憎しみ。独裁者。良くない上役。乱暴な男。
(逆位置)法律的論争。喧嘩。目上や年長者から引き起こされるトラブル。

78.(0)愚者
愚かな行為。馬鹿げた考え。良い職を捨てる。恵まれた家庭から出て行く。無謀な計画。さまよう。
(逆位置)あなたのとっている行動は愚かだ。うろたえる。


■エッテイラ(エテイヤ)タロットの種類について。

エテイヤ・タロットには複数のバリエーションがあり、1972年のDetlef Hoffmann(デトレフ・ホフマン)とErika Kroppenstedt(エリカ・クロッペンシュテット)の執筆本では、「エジプトの」タロットとしても知られるエテイラのタロットの進化における3つの異なる段階を区別し、これらをグランドエテイヤI、II、IIIと名付けました。

最初のタロットデッキである「Grand'Etteilla I 」は、Etteilla、ou manière de se récréer avec un jeu de cartes(Lescïapart、Paris、1770)【Etteilla、またはカードのデッキでのレクリエーションの方法(Lescïapart、パリ、1770)】に基づいたカードで、エテイヤは1789年頃に「Livre de Thot, ou le grand jeu des 78 tarots egyptiens(トートの書、または78のエジプトのタロットの素晴らしいゲーム)」というタイトルのデッキを設計し、その後、おそらくエテイヤの生徒であるM. D'Odoucet(メルヒオール・モンミグノン・ドーチェット)が、エテイヤの指示に従って作成した完全版を19世紀の前半(1804年?)再度印刷したカードで見ることができます。このカードの図像はマルセイユ版とはまったく異なり、とりわけ、「Questionnant(質問)」をカード番号1として、また、「女帝」「皇帝」の代わりに「Creation du Monde(世界の創造)」(カード6および7)を追加しています。各カードには、通常の位置と逆の位置の両方に神聖なフレーズがあります。
 
その後、1826年には、フリーメーソン風味のデッキがリリースされ、1838年には、「Grand Livre de Thot(トートの素晴らしい本)」というタイトルの、「Grand'Etteilla II」にあたるデッキがSimon Blocquel(1780-1863)によって出版されました。
このデッキは、1番が「光」から「カオス」となり、10番の「節制」は象を導く女性が描かれ、12番「Prudence」は右手に鏡を持ち、左手に本を持って、美徳のより伝統的な描写となり、15番では、司祭は人形が置かれたテーブルの前の魔術師に置き換えられ、 21番「戦車」は、天蓋を備えた四輪馬車に、ひげを生やした男が描かれています。また、奇妙なことに、21番は「アフリカの専制君主」と題されており、78番は「愚者または錬金術師」になりました。また、上部と下部の言葉は、各カードの神聖な意味を示し続けましたが、加えて、表された主題のタイトルは両横に垂直に示されました。
 
そして「Grande Etteilla II」と分類されたこのモデルから、「Grande Etteilla III」と呼ばれるデッキが登場しました。
これは、1865年頃(1867年?1870年?)に登場した「Grand jeu de l'oracle des Dames(ご婦人の偉大な神託)」として知られ、G.Régameyによってデザインされ、M.-F. Delarueによって公開されました。Blocquelの義理の息子のデザインは、ネオゴシック様式で、以前のモデルとの明らかな違いは中世スタイルの人物に関するものです。たとえば、12番の「Prudence」は、蛇が巻かれた鏡を左手に持ち、右手に本を持つ女性になり、一方、10番の「節制」は馬の柄を持つ女性になりました。また、4番「星」は図像が全く変わり天空の図案を示し、5番「世界」は、中心の女神が棍棒をもつ男に変更され、また四隅のシンボルは天使が消え、ライオン、馬、象、雄牛、に変更されています。
 
また、1843年には、「Grand'Etteilla I 」の変種が登場し、ヨハネス・トリスメギステの仮名の下でのロランベール(Lorambert)とジュリアス・ライスネ (Julius laisne) が著した「Bibliotheque du destin o Encyclopedie des sciences occultes(運命の図書館、オカルト科学百科事典)」の「L' art de tirer les cartes, révélations complètes sur les destinées au moyen des cartes et des tarots, d' après les méthodes les plus certaines.(最も確かな方法による、カードを引く術、地図とタロットによる運命の完全な啓示。)」の章で、カードの図像をエジプトの伝統に近づけることにより、エッテイラの考えを再現しようと試みたカードが登場しました。
このカードは、1875年には、「Grand jeu de tarots égyptien(素晴らしいエジプトのタロット)」として出版されており、78枚の各カードの特徴は、絵柄の下にカードのタイトルが記され、下端と上端の両方に神聖なフレーズが記されており、後者はカードが逆位置に示されたとき上端のフレーズが読み取り可能となっています。たとえば、カード番号1番はエジプト人で、右手に杖を持ち、絵柄の下に「L'homme qui consulte(相談する男)」そして「Wisdoms(知恵)、sagesse(知恵)」など占いのフレーズがあり、逆位置にある場合、カードには「Génie(天才)」というフレーズが表示されます。カート番号8番は、杖を持った古代エジプト人の女性が示され、足元には頭蓋骨、骨、ろうそく、ヘビなど、地上での占いや魔術に使用される道具を持っています。 また絵柄の下には「La femme qui consulte(相談する女性)」のタイトルと、 2つの重要なフレーズは、正位置では「Vertu(美徳)」、逆位置では「Douceur(軟性)」であり、魔法の分野で特定の美徳を持ち、同時に思考と行動の識別をします。また、他のカードには、オシリス、アピス、ホルス、アヌビス、イシスという名前も登場していました。

そして、「Grande Etteilla III」からは、1900年頃?にスペインで発行されたと考えられている「Tarots Egipcios」が出現しました。
このカードは、各カードにアラビア数字の番号が付けられており、カード1枚を中心から真っ二つに分け、大アルカナカードには、右半分にヘブライ文字が上下に描かれ、小アルカナの右半分には、上部にスペインのトランプのスートが、下半分にはフレンチスートが描かれ、ヘブライ文字やトランプの絵柄の間には象形文字のような小さな絵が描かれています。そして左半分には「Grande Etteilla III」の絵柄が描かれ、各カードの上端と下端にスペイン語とフランス語でフレーズが表示されていた様です。このタイプのカードは、1970年代に、Wolfganag Kunzeによって:Etteilla Type III-version Catalan-1966と識別されたカードがBIETTI / Bi-Assの発行で流通していた様で、1983年?にはイタリアのカードメーカー「ダルネグロ(Dal Negro)」の印刷で、黒のベルベット地に「Bietti 」と「Bi-Ass」と記載された外箱に入って「Tarocco Egiziano(エジプトのタロット)」として出版され、カードの上端と下端にはイタリア語でフレーズが記載されていました。また、メキシコでは、「ehijos」のロゴの入った黄色い箱の「Tarots Egipcios(エジプトのタロット)」(箱上部には「Tarots Negro」と記載されています)として販売され、カードの上端と下端には、スペイン語とフランス語でフレーズが記載され、こちらは「ムーア博士(Dr. Moorne)」による「カードを使用する最高の技術(El Supremo Arte de Echar las Cartas)」を参考に使用できるとされていました。

 
エッティラ(エテイヤ)・タロットはこちら



 
【タロットカードのサイズについて】

タロットカードは、トランプ(プレイングカード)と違いやや大きめのサイズが基準です。
(トランプは、ブリッジサイズが約、縦89mm横58mm、ポーカーサイズが、縦88mm横63mm程)
現存する、最古のほぼフルセットのタロットカード「ヴィスコンティ・スフォルツァ・タロット(ピアポント・モルガン-ベルガモ・パック)」の大きさは縦175mm横87mm程で、カードの厚みもかなりあり、イタリアの貴族のために制作された画家による手描きの記念品又は美術品と考えられています。(同時代のブランビラ・パックは縦178mm横90mm、ケーリー・イェール・パックは縦190mm横90mm程もありました。:伊泉龍一「タロット大全」参照)
ゲームに使用するためのものでは無く、画家の手描きの美術品ですので、かなり大きなサイズでしたが後にゲームなどに使用されるようになり現在の大きさに近くなった様です。
ただ、元々が大きいタロットカードのサイズは、扱いやすく小さくしたとはいえ基本的に欧米人の手を基準に制作されていますので、一般的な日本人の手のサイズには、どうしても大き目のカードとなってしまいます。
また、大きさ(サイズ)に決まりは無く、其々のメーカーや著者によって千差万別で一定していませんが、大手メーカーが出版しているカードは、一定のサイズで多種類のカードを出版しています。
以下に有名メーカーに多いサイズを記載します。
注:サイズは製造誤差で1mm程度の違いがある場合があります。

1.U.S.GAMES    (アメリカ)メインサイズ 縦120mm、横70mm
2.LO SCARABEO(イタリア)メインサイズ 縦120mm 横66mm
3.LLEWELLYN   (アメリカ)メインサイズ 縦117mm 横70mm
4.GRIMAUD     (フランス)メインサイズ 縦123mm 横65mm
5.A.G.Muller    (スイス)  メインサイズ 縦120mm 横70mm
6.FOURNIER    (スペイン)メインサイズ 縦110mm 横60mm

ただし、ライダー・ウェイト・タロット(ウェイト-スミス・パック)やトート・タロットなどの有名なカードは複数のサイズが販売されています。

*ライダー・ウェイト・タロット(ウェイト-スミス・パック)
 (1)縦120mm 横72mm
 (2)縦120mm 横70mm
 (3)縦90mm  横55mm(ポケットサイズ)
 (4)縦75mm  横45mm(ミニサイズ)
 (5)縦173mm 横100mm(ジャンボサイズ)
*トート・タロット
 (1)縦140mm 横95mm
 (2)縦112mm 横73mm
 (3)縦89mm  横53mm(ポケットサイズ)
 (4)縦103mm 横70mm
 (5)縦110mm 横70mm
 (6)縦89mm  横57mm(ポケットサイズ)
なお、トートタロットのオリジナルのサイズは(1)となります。

また、近年ではミニサイズのタロットも多くリリースされています。
これらのカードは、普段から携帯し持ち運びやすく、また78枚全てのカードを使用するときに大きな場所を必要としない便利なサイズとなっています。
以下をご参考下さい。↓
https://www.phgenki.jp/category/16/



 
【タロットカードとも呼ばれたりするオラクルカード、占いカードについて】

世界で流通しているのタロットカードの中には、オラクルカードや占いカードの構造をもつカードが稀にあります。
そこで、以下にオラクルカード、占いカードの種類について記載します。

オラクルカードとは、オラクル=「神託」「預言」「神の言葉」を意味するカードです。
20世紀末まで、オラクルカード=占いカードでした。また、タロットカードも広義にはオラクルカードの仲間と言えます。(実際に、タロットカードの特徴を持たないオラクルカードでもタロットの名前が使用されたりしています。)
『神の言葉』は先人の人々にとっては、「天の言葉」であったのに対し、21世紀の現在では、「高次元の自己の言葉」ととらえ、ドリーン・バーチューなどを代表とするスピリチュアルやセラピー系オラクルカードの大ヒットにより、新しい『神からの言葉』の側面がクロースアップされてきました。
故に現在のオラクルカードは大きく分けて、
1.フランスを中心に発展した「天の言葉として物事を占う」古典的占いカード。
2.ドリーン・バーチューなどを代表とする『神からの言葉』やハイヤーセルフ(高次元の自己)からの言葉を受けるためのスピリチュアルやセラピー系オラクルカード
の2種類に分けられます。

占いカードで有名なのは、タロットカードですが、最初に占いとして使用されたカードはトランプ(プレイングカード)と考えられています。ジプシー占いはタロットカードも使用しますが、昔はトランプ占いの方が盛んだった様です。
占いでトランプ(プレイングカード)を使用した最古の記録は16世紀中ごろの1540年イタリアにおいて36枚のカードパックを利用した占い本が出版された記録がありますが、その使用法は現代とはかなり違っていました。
その後17世紀末から18世紀初頭にはイギリスにおいて占い専用のカードが考案されており、18世紀中盤から末頃のフランスにおいて、タロットカードで有名なエッテイラ(エテイヤ)により、現代に続く使用法のカード占いの本が1770年に出版されました。

トランプといえば52枚組みがすぐ思い浮かぶと思いますが、ヨーロッパでは52枚以外に、ゲームの種類に応じて32枚、36枚、40枚、などのセット(これらを総称してコンチネンタル・パックと言います。)が、かなりの量流通して使用されています。その中でも特に「ピケ」と言うゲームに使われる32枚のセットはヨーロッパでは伝統的に多く使用されており、欧米のジプシーたちが占う時、タロット以外のカードで占う時は伝統的にこの32枚セットを使用します。
また、36枚組みの古典的占いカードで有名なのは、ルノルマンカードです。
これは、19世紀前半ナポレオンの時代に活躍したマドモアゼル・ルノルマンに由来し、バリエーションも複数存在します。一般的に流通しているものは36枚組みのプチルノルマンですがグランルノルマンの名の付く52枚組み、も存在します(歴史的にはこちらのほうが先に制作されました)。
この18世紀末から19世紀前半のフランスでは、女流占い師のカード占いが大変盛んで、いろいろなカードが存在しました。これらの系列のカードはフランスのカードメーカー グリモウやヘロン(共に現France Cartes社)などより多くリリースされています。
現在でも、新作のオラクルカードは大手ではイタリアのカードメーカー、ロ スカラベオが32枚の占いカードの多くのバリエーションをリリースしています。
特に20世紀末から21世紀になりスピリチュアルが盛んになると、ドリーン・バーチューを代表とするエンジェルカードが大ヒットし44枚を中心に40枚から50枚組み程のネガティブな意味を連想するカード(死など)を採用せず、「神からの言葉(高次元の自己からの言葉)」の側面を強化した心を豊かにするオラクルカードがヒーラーやスピリチュアル系の方々などにより盛んに作られています。(皆さんがオラクルカードで思い浮かべるのはこちらのカードかもしれません。)
また占い師の方々独自のカードも新作が多くリリースされています。

現在、国内には200種以上のオラクルカード、占いカードが流通しており、カードの種類は
1.32枚、36枚、52枚の伝統的オラクル占いカード
2.ルノルマン由来のカード
3.「神からの言葉(高次元の自己からの言葉)」を得るためのスピリチュアル、セラピー系のオラクルカード
4.土占い手相など他の占いをカード化したもの。
5.ヒーラーや占い師独自のカード。
などが、あります。

オラクルカード、占いカードはこちら

スピリチュアル系オラクルカード、ドリーン・バーチューはこちら

タロットカードの詳しい歴史年表はこちら

タロットカードの選び方

タロットカードの浄化、聖別

 トランプについて

トランプの歴史と絵柄のモデル