イタリア国立グラフィック研究所版画研究室に研究員として招かれていたルネサンス図像学に詳しい、ブライアン·ウィリアムズ(1958年~2002年)が古版を基にして制作した「ザ・ミンキアーテ・タロット」が裏模様が変更され、日本語解説版となり、お求めやすい価格で登場。
以下、ヴィジョナリー・カンパニーHPより↓
この「ミンキアーテ・タロット」は、私たちのよく知るライダー・ウェイト・タロットや、マルセイユ版と呼ばれるカードデッキとは異なり、全97枚という大掛かりな構成が組まれています。小アルカナ56枚であるのに対し、大アルカナと呼ばれるカードが41枚あります。一般的な22枚の大アルカナに加えて、「賢慮」「希望」「慈愛」「信仰」といった美徳を表すカードがあり、一方で「女教皇」「教皇」ではなく「太公」「西の皇帝」「東の皇帝」といったカードが含まれます。「ミンキアーテ」という言葉は、その時代や地域によって、世俗的な意味合いをもつイタリア語だとされ、このタロットが必ずしも高尚な品物ではなかったということを伺い知ることができます。もとよりタロットカードは占いのツールではなく、カードゲームとして愛され流通していたという歴史からもタロットが神秘性を帯び始める以前に、ユニークにして芸術的なカードゲームとしてこの「ミンキアーテ・タロット」が作られたものだということがわかります。では、タロットを占星術や神秘的なものと結びつけ、占いのツールとしてのタロットが作られたことは間違った行為だったのでしょうか?
否、古典と呼ばれるタロットカードの絵柄は、有名絵画のそれと同じ構図を持ち、教会に描かれた宗教画や、神話絵画にも、共通する象徴が描かれていることなどから考えれば、カードゲームとして流通したタロットに神秘性を見出すことは、決して難しいことではなかったといえるでしょう。絵画の中に見られる象徴を読み解くことで、このタロットカードに描かれた世界の奥行きは大きく広がります。全312ページに及ぶ肉厚な解説書は、人々が焦がれた神話世界のイメージをどこまでも拡大し、全く新しい、タロットへの解釈の視点をもたらすことでしょう。タロットの古典的本質を読み解くヒントが詰め込まれた本著。「タロットの歴史を知りたい」「これまでとは違ったデッキを使ってみたい」「中世の絵画が好きで、タロットにも興味がある」そんな方にもぜひともおすすめの1冊です。
小アルカナは数札。
97枚 サイズ〔128×76〕
専用日本語解説書312ページのブックレットとのセット。
[ 日本(アメリカ)・ 原書房]